国際靴職人技能コンクール2010年
金メダル&名誉賞受賞 三澤則行

International Efficiency Contest of the Shoemakers 2010
- Noriyuki Misawa -

2010年国際靴職人技能コンクールにて、名誉賞と金メダルを受賞された、三澤則行さんです。宮城県出身の三澤さんは、大学生の時、地元の有名靴店、タマヤフットウェアさんの影響で靴職人を志し、浅草のギルド・フットウェアカレッジ(現サルワカ・フットウェア・カレッジ)に入門。卒業後はギルド・オブ・クラフツにて4年間働き、さらに講師もされていたそうです。その当時、NHKにて放送されたギルドの特集番組、「プロフェッショナル仕事の流儀」にも、三澤さんはご登場されております。
その後、三澤さんは09年8・9月と10年1月下旬~3月中旬にウィーンのマテルナ靴店にて修行され、10年1月からはウィーンの靴メイカーのお仕事も請け負っているそうです。そして今回、三澤さんはヨーロッパ皮革供給所名誉賞でして、これは何かのご縁でしょうか、前回、ゲオルグ・マテルナ親方が受賞された賞です。





授賞式での三澤さんです。
三澤則行さん製ハイヒール

三澤さんが出展された、豪華絢爛なハイヒールです。アッパーはデュプイ、底材はすべてオークバーク。装飾に使用したクリスタルはスワロフスキーのデッドストックで、これだけでも相当高額なコストがかかったそうです。ビーズもヴィンテージで大きさもすべて違え、三澤さんの美意識が詰まっておりますね。これらの石は、全て裏側からワイヤーで固定されているそうで、この手間だけでも相当なものです。
三澤則行さん製ハイヒール

底付けはハーフ・ウェルト。つまり、ソールの前半部はハンドソーン・ウェルテッドで、後半部にウェルトはなく、木釘で止めております。ウェスト部分のコバを完全になくし、よりスマートに、より華奢に見せる工夫をしているわけですね。しかもフィドルバック気味に湾曲もさせております。
三澤さん作成のまくりヒール 三澤さん作成のまくりヒール

ハイヒールは、ソールとヒールの境目を見せない、まくりヒールを採用。アウトソールをヒールの内側面まで伸ばし、ヒールと一体化させる手法です。当然、手間はかかりますが、破損しがちな細いハイヒールの強度が増す効果があります。出展用の靴とは言え、三澤さんが実用性にもこだわっているのが分かりますね。



三澤則行さん製ハイヒール

さらに、ハイヒールの形状は、ルイ14世が履いていた事知られるルイヒールです。
三澤則行さん製ハイヒール

このアングルからですと、ルイヒールならではの、台形状のヒール下部が分かりやすいですね。

これだけ凝った装飾と工夫なだけに、三澤さんの靴は注目を集めておりました。三澤さんは、いずれ日本で、今回出展されたような、古典的、装飾的な既製靴を展開していきたいと言うお話でした。そのためウィーンでは、靴作りだけでなく、工芸品や美術品の研究にも力を注いでいるそうです。







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