ツイードの里 ドニゴール州アーダラ
トゥリオナ・デザイン

Ardara County Donegal that is town of tweed
- TRIONA DESIGN -
アーダラの町並み

ドニゴール州ドニゴールから、バスに揺られて北西の奥地へ。こちらが、かつてツイードの産地として栄えた村、ドニゴール州アーダラ(Ardara)です。 ツイードだけでなく、アランニットのお店もいくつかあります。
ドニゴール州ドニゴールも小さかったですが、ここ、アーダラは人口600人程度と、さらに小さいです。アーダラは鮭、マス釣りの場所としても有名だそうで、釣り目当ての観光客も多く訪れておりました。と言いますか、釣り目当ての方が全然多いかも……。

さて、以下からはアーダラの観光案内所にて知った事です。

ドニゴール・ツイードは、第一次世界大戦にて需要がかなり伸びたそうですが、大戦終了後は一挙に不景気に。20年代は苦境と苦心の日々だったようです。
そんな折に、1930年にダブリンにて、ミュレル・ゲインと言う方が、「カントリー・ショップ」と言うお店をオープンさせました(現在は廃業)。このお店は、アイリッシュ・ハンドクラフトの販売が目的でして、ドニゴール・ツイードも当然扱われたそうです。このミュレル・ゲインさんは「アイリッシュ・ホームスパン協会」の設立者でもあり、ドニゴール・ツイードの普及にも大きく貢献したとか。
そして、第二次世界大戦が始まると、ドニゴール・ツイードはまたも好況に転じ、同時に生産の効率化も進んでいったようです。50年代からは、従来のシングル幅(約70〜75cm幅)からダブル幅(約150cm)も増え、60年代もツイード人気は衰えず、生産形態も、家内制手工業から工場生産へとなっていったそうです。



昔のツイード織機

アーダラの観光案内所にて展示されていた、大昔のツイード織機です。やはり昔らしく、シングル幅ですね。もっとも、現在でもシングル幅のツイードは入手可能でして、アイルランドや英国はもちろんの事、日本でも、深野羅紗店さん等の羅紗屋さんでも取り扱いがあります。
昔の糸紡ぎ機

大昔に使用されていた、糸を紡ぐ器具。やはり、アーダラの観光案内所にて展示されておりました。
トゥリオナ・デザインのショップ

アーダラにある、ツイードとニットウェアのブランド、トゥリオナ・デザインです。一言でツイードと言っても、機械織りと手織りの二つに分けられますが、ここ、トゥリオナ・デザインでは手織りツイードを生産しております。
このお店ではカフェも併設しておりまして、僕はアーダラを散策中、突然雨が降り出しましたので、ここのカフェでのんびりしつつ、雨宿りをしておりました(笑)。
トゥリオナ・デザインの店内

店内では既製服やツイード生地を販売しておりますが、ご覧のとおり、奥は工房となっておりまして、ツイード織りの様子が無料で見学できます。詳しく説明して下さるガイドさんもいらっしゃいまして、やはり観光客を意識してか、イギリス式英語(アイルランドの主流)ではなく、アメリカ式英語を話します。
トゥリオナ・デザインの店内

ウール100%と言わず、アルパカやラム、カシミヤ、シルクなども混紡させて、柔らかくて軽く、発色も良いツイードを作っておられるのが、このトゥリオナ・デザインの特徴です。生地を購入される場合、価格は1mあたり35ユーロ。免税もして下さいます。すべてダブル幅です。ヘヴィ・ウェイトの生地はなく、すべてライト・ウェイトとの事でした。
「ヘヴィ・ウェイト生地は厚すぎて、服地には不向きだよ」
ガイドの方は、そう話されておりました。現在のニーズに沿った、ツイードを作っておられるようですね。

手織り作業の様子です。シャトルが右に左に走って糸を通し、ツイードが織りあげられてゆきます。このように、リズミカルに、力強く織るのも、見事な職人技です。

僕はこのアーダラとは別の場所で、若い女性による、ツイードの手織り作業を見たのですが、力が弱いためシャトルをスコーン!と走らせる事ができず、作業途中でシャトルを落っことしたりもしておりました(笑)。結果、完成したツイードは打ち込みが甘すぎて目が粗く、ツイードと言うよりも、編み物の世界でした(ちなみにシングル幅)。一口に手織りと言っても、作る人が違うとここまで品質が違うのかと実感した次第です(その女性が下手すぎただけなのでしょうけど……)。
ジョン・モロイのファクトリー・ショップ

アーダラ中心街から少し歩いたところには、ジョン・モロイの本社兼ファクトリー・ショップがありました。ただ、価格が安いという事はなく、他店舗と同じです。
★参考文献★
「紀行アラン島のセーター」伊藤ユキ子さん著。
「アイルランド/アランセーターの伝説」野沢弥市朗さん著。





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