国際靴職人技能コンクール2007年 名誉賞&金メダル受賞 ヨハン・ポペルカ International Efficiency Contest of the Shoemakers 2007 - JOHANN POPELKA - |
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オーストリアは東の町、インナーマンツィンクから、ヨハン・ポペルカさんの作品です。僕が今回のコンクールで、もっとも目を引いた靴でもあります。なんと!ステッチがまったく見えない靴です! ホールカットは一枚革で製作するため、元々ステッチが少ないスタイルですが、それでも履き口周りには、アッパーとライニングを縫い合わせたステッチは入るものです。しかしこの靴は、それすらもまったく見えないのです!これ、果たしてどうやって作ってあるのでしょうか……。コンクール作品はガラスケースに収められていて、手に取って見る事はできないため、僕では分かりませんでした。このステッチを隠す技術は、機能性とは無縁でしょうし、あくまで見た目のアピールにとどまる手法だと思いますが、それでも、初めて見るこのスタイルには驚かされました。 この作品はファッション靴・豪奢靴部門に出展され、さすがと言いますか、当然と言いますか、ミヒャエル・グロス大臣名誉賞と金メダルを受賞されました。ミヒャエル・グロス氏は、09年2月までドイツの経済・科学技術担当大臣を務めた方でして、このコンクールにおいても重鎮であります。なお、ポペルカさんは04年の前コンクールでも、金メダルを受賞されているそうです。 |
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ご覧下さい。通常入るはずの、履き口周りのステッチがまったく見えません。どうやってアッパーとライニングを縫い合わせたのでしょうか? アッパーを内側に巻き込んで縫ったのか、しかし断面を見る限り、どうもそれだけではないような気がします。もっとも、接着剤でくっ付けただけの可能性も、無きにしも非ずなのですが(笑)。 |
そして、履き口周りと同様に、コバのステッチも見えません。これはマッケイ製法なのでしょうか、それとも、ブラインド・ウェルトなのでしょうか。 もっとも、ドイツやオーストリアでは、ハンドメイド・シューズの職人さんでも出し縫いは省略するケースもあるそうなので(修理が容易なため)、これも同様に、アウトソールは接着剤でくっ付けているだけなのかもしれません。 いずれにしても、ステッチは一切出さない靴として、ポペルカさんの作品意図はハッキリ感じられますね。 |
正面からの画像です。ステッチがまったく見えない分、革の美しい質感のみがひたすら強調されるのが、この作品の特徴だと思います。こう言う見せ方もあるのだなと、素直に唸らされました。フォルムはいかにも中東欧靴と言ったコンフォートなスタイルですが、スマートなシェイプで作りましたら、また違った表情が生まれるのだろうと思います。 ただ、ハッキリとは確認しておりませんが、ヒール部分にだけはステッチは入っているようです。 ポペルカさんのお店の住所は、3052 Neustift-Innermanzing, Hauptstr 98です。 |
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