国際靴職人技能コンクール2007年
ハンガリーの靴職人

International Efficiency Contest of the Shoemakers 2007
- Shoe maker of Hungary -
ハンガリーからは2名の職人さんが出展しておられました。まずお一人は、これまでも日本で何度か紹介されている、ヨージェフ・コヴァーチさんです。ヨージェフさんはデブレツェンにあるオーソペディック・シュー・メイカー、「マヌアール」にて、ハンドメイドのビスポーク・シューズを担当しておられます。
ヨージェフさんは以前からこのコンクールに精力的に出展しておられまして、これまではいかにも東欧らしい、無骨な靴ばかりでしたが、今回は一転してスマートな靴を出しておられました。

ヨージェフ・コヴァーチさん作、ガルーシャのホールカット

スタンダード靴部門の金メダル受賞、ガルーシャのホールカットです!ただでさえ成形しづらいガルーシャですが、それをさらに難しいホールカットで出してきました。金メダルも当然と言える一足です。


ヨージェフ・コヴァーチさん作、ガルーシャのホールカット拡大

ガルーシャの斑を意識してか、ソール周りに点模様を施しておりますね。コンクール用に「2007」の刻印もあります。
ヨージェフ・コヴァーチさん作・サイドエラスティック

こちらのサイドエラステック・シューズも、スタンダード靴部門金メダルでした。コバの目付け、綺麗に入ってます!
ヨージェフ・コヴァーチさん作・フルブローグ

このフルブローグでは銀メダルでした。イタリアを思わせるトウラインですが、大ぶりのパーフォレイションにダブルウェルト、張り出し気味のコバは東欧らしさを感じさせます。東欧職人による、イタリア靴解釈といったところでしょうか。こういった異文化取り合わせの妙も面白いです。
ヨージェフ・コヴァーチさん

会場内にてお見かけした、ヨージェフ・コヴァーチさんご本人です。ヨージョフさんはご自分の展示靴近くにいらっしゃいまして、お客様の反応を気にしているようでした。
僕はヨージェフさんと会話を試みたのですが、「私はドイツ語しかできない(あとマジャール語とルーマニア語かな?)」と言われ、お話しすることは叶いませんでした(笑)。ルーマニア出身の職人さん(靴に限らない)は、大抵が英語不可ですね。
J・アッティラ・コヴァーチさん作・クロコダイル

こちらはハンガリーの南西、キスジョール(Kisgyor)という町の靴職人、J・アッティラ・コヴァーチさんの作品です。奇しくも、お二人とも"コヴァーチ"さんですね(笑)。
スタンダード靴部門銀メダル、ワイルドなカッコ良さです。使用している素材は、ワニ革でもクロコダイルやアリゲーターではなく、カイマンでしょうか。靴中央には背中部分の革を用い、羽根にはワニの足のような飾りを付けてと、ワニをそのままを模すのがデザインコンセプトのようです。各パーツごとに斑模様を変え、豊かな表情を作り出していますね。
J・アッティラ・コヴァーチさん作・クロコダイル

ソールにはワニの絵が!
アッティラ・コヴァーチさん作・フルブローグ

こちらもJ・アッティラ・コヴァーチさんの作品です。ラストもデザインも思いっきりブダペストスタイルで、ノルウィージャン・ウェルテッド製法と相性よろしいですね。
アッティラ・コヴァーチさん作・フルブローグ

薄茶と抹茶の色合わせもユニークです。スタンダード靴部門銅メダルでした。
ブダペスト製靴・サボール
Shoe maker at Budapest Szabor
サボール

こちらはコンクールではなく、同会場で行われていた見本市での一ブース。ドイツのシュー・メイカー、「サボール」です。資材調達はドイツで行い、生産はブダペストにて、50名ほどの職人さんたちで作っているそうです。革、デザイン、ラストを指定してのパターン・オーダーのメイカーです。
「handmade」と表記されておりますが、見たところグッドイヤー・ウェルテッド製法だったので、実際はマシンメイドですね。価格は299ユーロ。存在としては、ハインリッヒ・ディンケラッカーの廉価版といったところでしょうか。
サボールのラスト

ラストは三種類あります。左から、ブダペストラスト、ピサラスト、ペクスラストです。やはりドイツらしくオーソペディックを重視して、人間工学に基づいたインソールを採用しているそうです。
サボールの靴たち

サボールの靴たち。いかにもハンガリー製な強面ですね。07年時点で、ドイツ、オーストリア、スイスで展開されているようです。いずれは日本にも上陸するのでしょうか?
ATTILA KOVACS MAP

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