GEORG MATERNA Full Brogue Oxford Fitting
ゲオルグ・マテルナのビスポーク、フィッティングの様子についてご説明致します。まず着用した感じはややルーズでして、厚手のソックスを着用して丁度良いぐらいです。個人的には、もう少しタイトの方がよろしいのですが、スタイリングとしてはカントリー・シューズですし、厚手のソックスでも良いかと妥協しております。
もっとも、マテルナのビスポークは仮縫いがないので、その分、フィットについては少々妥協せざるをえないのかもしれませんね。
山下大輔の右足 ゲオルグ・マテルナの右足

僕(山下大輔)とゲオルグ・マテルナの右足画像です。こちらもフォスター&サンと同じく、特にきつく感じる箇所はございませんが、羽根が閉じ気味なのがお分かり頂けると思います。つまり、もう少しタイトに仕上げた方が理想的なのでしょうね。
マテルナの当たる箇所 マテルナの当たる箇所

続いて、左足の画像です。こちらも右足と同様、羽根が閉じ気味ですね。そして、黄丸で囲っている、小指の付け根からやや下あたりの箇所が当たります。フォスター&サンと同様に、履き始めは良いのですが、8時間ほど経つと痛みが出てきます。僕の場合、やはり左足小指周辺が難しいようです……。
ゲオルグ・マテルナのフットベッド

注文時
にもお願いしましたが、土踏まず部分にはフットベッドが入っております。このフットベッドも、やはり注文主の足に合わせて作成しているようで、僕の場合、右足の方が大きく盛り上がっているのがご確認頂けると思います。

しかし面白いのは、実際に履いてみると、その形状とは逆に、左足の方が土踏まずの当たりが強く感じられるんですよね。フットベッドと、僕の土踏まずの相性のせいと思われます。

ひょっとしたら、僕は左足の方が膨張が大きいため、重心のバランスをとるために、左足への当たりを強くしようと言う、マテルナ親方の意図があるのかもしれません。
もっとも、僕は整形靴の専門家ではありませんし、実際のところは不明です。フットベッドの形状を左右で変えてる以上、何か狙いはあると思いますので、これは次回の注文時に、どんな意図でフットベッドを作り、実際に効果が出ているか、マテルナ親方とよく相談したいと思います。少なくとも、履いていて土踏まずへの不具合は感じず、良好です。

また、履き口周りのライトパープルによる縁取りも、マテルナらしいデザインですね。この色については僕からお願いしたわけではなく、特に指定がなければ、マテルナ親方のセンスで決まるみたいです(笑)。もしマテルナ靴店で注文される場合は、この縁取りの色で遊んでみても面白いかもしれないですね。

インソールにロゴが何も入ってなく、まっさらなのも、特徴と言えば、特徴です。この潔いスタンス、好きです!



山下大輔の右足側面

ゲオルグ・マテルナの右足側面

ミルスペックの右足側面

右足の側面画像です。上から、僕の右素足、マテルナを履いた状態、そして、僕の所有既製靴でもっともフィット感の良い、オールデンのミルスペックになります。素足の画像と見比べると、マテルナは甲が高いのがご確認頂けると思います。羽根が閉じるのもそのせいでしょうね。そして、ウエスト・ガースの押さえが効いてないせいもあって、隙が少々抜けてしまいます。フィット感は高級既製靴と比べて高いレヴェルにはあるのですが、オールデンのミルスペックには負けてしまうのが正直なところです。
山下大輔の左足側面

ゲオルグ・マテルナの左足側面

ミルスペックの左足側面

続いて、左足の側面画像です。こちらもやはり、甲が高めで、踵も少々浮いてしまいます。踵が浮いてしまうのは、甲の押さえが効いてないだけでなく、踵のカーブも影響しているのかもしれません。フィットについては様々な要素が関係してくるので、何が原因か結論付けるには難しいところですね。
山下大輔の右足踵

僕の右足。
ゲオルグ・マテルナの右足踵

ゲオルグ・マテルナの右足。

ミルスペックの右足踵

オールデンのミルスペックの右足。
右足踵の真後ろからの画像です。青矢印で、踵の左右の角度を示しております。

画像からでは分かりにくいかもしれませんが、ゲオルグ・マテルナも踵が小さく作られておりまして、ミルスペックと比べて、実際の足に近い角度になっております。特に外側の角度をご覧頂くと、分かりやすいかと思います。
山下大輔の左足踵

僕の左足。
ゲオルグ・マテルナの左足踵

ゲオルグ・マテルナの左足。
ミルスペックの左足踵

オールデンのミルスペックの左足。
そして、左足踵の真後ろからの画像です。こちらも、マテルナの方がミルスペックより足に近い角度を描いているのがお分かり頂けると思います。
ゲオルグ・マテルナの踵のライン

マテルナの踵を上から見た画像です。ラインがU字と言うよりもV字に近く、オールデンのミルスペック、ないしはエドワード・グリーンの202ラストと比べて、相当小さく絞り込んでいるのがお分かり頂けると思います。形状は左右対称ですが、面白いのは、既製のゲオルグ・マテルナの踵は、左右非対称のU字型なんですよね(笑)。
ゲオルグ・マテルナのシュー・トゥリーの踵のライン

マテルナのビスポーク、シュー・トゥリーの踵パーツです。やはりこちらも、ほとんどV字ラインを描いておりますね。
ゲオルグ・マテルナのシュー・トゥリー

やはりマテルナも、シュー・トゥリーを見ていくと立体造形について分かりやすい点が多いです。マテルナのシュー・トゥリーも、靴の形状を完璧に再現しているわけではありませんが、靴に装着した際はフォスター&サンより密着しております(だから着脱に苦労します……)。


ゲオルグ・マテルナのシュー・トゥリー向かい合わせ

ゲオルグ・マテルナのシュー・トゥリー正面

向かい合わせて見ると、フォスター&サンと同様、マテルナも右足の方がトウが高く、甲も高いですね。土踏まずの形状も左右で異なり、右足の方が深くえぐれております。

また、こちらのシュー・トゥリーも、両面テープでパーツを接着して撮影したため、ハンドル部分が宙に浮いた状態になっております(笑)。
ゲオルグ・マテルナのシュー・トゥリー比較

シュー・トゥリーの前パーツも、左右別のラインを描いておりますね。黄色矢印部分、甲の高さと形状が明らかに違いますし、青矢印部分に至っては、フットベッドの形状の違いがそのまま表れております。細かい箇所にも気を配って、フィッティングしようとしている何よりの証拠です。
ゲオルグ・マテルナのシュー・トゥリー比較

前パーツの断面図だと、土踏まずの違いがよりハッキリ分かりますね。
最後に参考までに、以下から終日履き終えた後の、エドワード・グリーンのチェルシーとゲオルグ・マテルナのビスポーク・シューズの画像です。

一日履いた後のチェルシー

一日履いた後のマテルナ

ご覧のとおり、マテルナもエドワード・グリーンと互角なほどに反り返っております。つまりそれだけ、足によく付いてきてくれているわけですね。ダブルソールでこの返りようですから、これでもし仮縫いがあったら……、これでもしシングルソールだったら……と、考えてしまいますね(笑)。足に合ってない箇所はあるものの、あくまで高レヴェルでフィットしているうえでの不満点です。
個人的には、また次回も注文してみたいメイカーです。フィット感をさらに高めたいのももちろんですが、この独特の存在感も魅力ですから。







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