バークレイのカシミア混生地 (自己測定目付445g)
BARCLAYS CASHMERIN
バークレイのカシメリン?

バークレイのカシメリン?のネームスタンプ

バークレイのカシメリン?の耳

今ではスキャバルに吸収されたマーチャント、バークレイのカシミア混生地です。製造は70年代半ばと推測されます。かなり打ち込み強くて、密な生地です。何しろ目付445g!(自己測定だけど)カシミア混生地で、これだけ目付があるのは珍しいのではないでしょうか。少なくとも、僕の所有するカシミア混スーツ用生地では最も重いです。
色は焦茶よりも、さらに黒に近い茶で、ご覧のとおり、ヘリンボーン織です。ただ、やはり経年劣化してしまったのか、あまり光沢は無いのですが……。硬さを感じる風合いなので、この生地では、ごくオーソドックスな英国調スーツを仕立てたいなと、また妄想だけしております(笑)。

さて、個人的に気になるのは、バークレイにはカシミア12%、Super90'sウーステッド88%の、"カシメリン"と言う生地があると聞きました。もしかして、これがそのカシメリンなのでしょうか?素材構成を見る限りだとカシメリンぽいのですが、耳にチョップ名が入ってないので、果たして本当はどうなのか分からないんですよね……。

もちろんこれも、僕が気に入って買ったので、カシメリンだろうが、どうだろうが、どちらでも良いのですが(笑)、それでも知りたくなっちゃうんですよね。

また、バークレイには夏用の最高級生地として、サマー・カシメリンと言う生地もあったらしいですね。僕は実物を見た事がないのですが、素材構成はキッドモヘア60%×カシミヤ5%×super100’sウール35%と、聞いただけでも相当良さそうです。

無くなってしまったバークレイですが、過去には日商岩井繊維が当たり前に輸入していたので、今でも神田須田町の羅紗商に行けば、デッドストック品が結構見つかるようです。少なくとも、僕はつい先日、プラチナを数点見かけました。ご興味のある方は、お探しになってみてはいかがでしょうか?

参考までに、僕の知るバークレイの参考卸売価格を書かせて頂きますね。購入される際の、一つの目安になればと思います。いずれも80年代時点での価格です。

ニューパーフェクション(シルバーフォックス×ミンク×カシミア×super100'sウール)・着分25万円。
カシメリン・着分15万円。
プラチナ100's(Super100's)・着分6万7千円。
リージェンシー(Super80's)・着分6万円。

バークレイは他にもたくさんラインはございますが、僕が卸価格を知っているのはこのくらいです……。

なお、着分=3mです。テイラーさんによっては、3mでは仕立てられない場合もございますので、ご注意下さい。



この記事へのコメント
山下大輔さま、こんにちは。
いやー、いろいろといつも考えさせられます。ありがとうございます!

神田須田町あたりでそんなビジネスが存在してるわけですね。
数十年前の生地が、それなりに高付加価値で販売されている・・・。
山下大輔様のような目が利く消費者ってどのくらいいるんでしょうね???
そういう方々が1人でも2人でも、増えたらとってもオモシロイです!

あと、山下大輔様が今後、どの生地を、どこのテーラーで、どんな服に
仕立てられるのかも興味津津ですっ!

Posted by スタッフA at 2009年10月14日 11:25



>スタッフAさん
神田須田町の羅紗商ではデッドストック品が見つかったりしますが、特にプレミア価格と言うわけではなく、かつての価格どおりに販売されていたり、または在庫処分と言う事で、お値打ち価格になったりしておりますよ〜。
僕が見かけたプラチナは、80年代時点の卸売価格と、ほぼ同じでした(笑)。生地は美しいだけに、見て歩くだけでも楽しいです♪

Posted by 山下大輔 at 2009年10月15日 17:32



こんにちは。

最近生地に興味が出てきて色々ググっているうちにたどりつきました。
とても楽しく読ませていただきました。

それにしてもすごい知識、どのように学習されたのですか?


神田須田町の羅紗屋さんのことは初めて知りました。
機会があればぜひ行ってみたいと思います。

これからもよろしくお願いします。

P.S.
私の最近のお気に入りはThrie Estaits のSuper Classicという生地です(BostonTailorのHPで紹介されています)。
神田の羅紗屋さんに似たような生地あるかしら??

Posted by セオドール at 2010年01月16日 01:03



>セオドールさん
はじめまして、山下大輔と申します。Blogを楽しんで頂けて、とても嬉しいです!(笑)
生地についての知識は、昔の本を読んだり、手持ちの生地をいくつも触ったり、重量を測ったりして(←アホ)身に付いていったところです〜。

Thrie EstaitsのSuper Classic、僕は実物を拝見した事はありませんが、ボストンさんのサイトを見る限りですと、大分コシがありそうですね〜。
目付450g以上のスーツ生地となるとヴィンテージでも少ないですが、探せば見つかると思いますよ〜。バークレイでしたらリージェンシー(僕が見たのは80年代製)も、目付450g以上で大分コシもありました。
あと、実は一昔前の日本製生地に、ガッチガチのコシの生地があったりします!コシのある生地がお好みでしたら、是非探してみて下さい。英国製生地よりもリーズナブルですし、ネーム・ヴァリューがない分(笑)、ヴィンテージとして残っている可能性が高いです!

Posted by 山下大輔 at 2010年01月16日 22:32



こんにちは。

お返事ありがとうございます。
独学で生地について知識を得られたのですね。素晴らしいです。

Thrie EstaitsのSuper Classic は、もともとバタクがラバットミルに特注したものとのことです。おっしゃる通り非常にコシがあるツワモノです。
こいつに慣れると、他の生地のスーツ(例えばマーチンソンの450gのフラノなど)が頼りなく感じるほどです。

日本製の生地ですか!なるほど。
実は昨年、初めて国産の生地で2着作りました。

ひとつは葛利毛織のタスマニアブレンドという生地で、
もうひとつは一宮の無名のメーカーです。

葛利の生地は名高いションヘル機で織られたもので、風合い、柔らかさが素晴らしいです。無名メーカーの生地の方も目付がしっかりしており、いずれも山下さんのおっしゃるように輸入生地と比べると破格でお値打ちだと思っています。
これからエージングしてどうなるか、ですねー。

以上のように私は国産生地を評価していますので、国産品も対象にして探したいと思います。
アドバイスありがとうございました。

私は地方在儒でして、今すぐに神田に行くことはできませんが、訪問した際は必ずや結果をレポいたします。

これからもよろしくお願いします。

Posted by セオドール at 2010年01月17日 09:20



>セオドールさん
マーチンソンの450gフラノ以上とは!相当凄そうですね〜。重厚生地愛好家なら堪りませんね(笑)。僕は最近の生地、あまり詳しくないのです……。

日本製生地もご評価されていて、さすがでございます。葛利毛織さん、評判よろしいですよねー。僕はいくつか見た事あるだけなのですが、それでも温かみのある風合い、確かなコシに惹かれました。
無名メイカーの中から、気に入った生地が見つかったら嬉しいですよね(笑)。一宮の生地では、これまでデッドストックの中で、すんごいハリコシのを見つけてビックリしております。今ではなくなってしまったメイカーさんもあって、惜しく思えたりして……。
70年代の英国製生地と日本製生地を比べると、ふっくらした手触りは英国製がリードするものの、ハリとコシだけなら、日本製は互角以上の印象を受けました。
また、日本製は色出し、艶、表情、風合い、色気、センスについては?と思ったりもするのですが(笑)、その中から好みに合う生地を探すのも、また楽しかったりして。ただ、最近の葛利毛織さんは、その点もこなれている印象を受けました(←生意気な意見ですいません……)。

神田須田町で、上質生地が見つかると良いですよね。僕もまだまだ勉強したく思いますので、これからもよろしくお願い致します!

Posted by 山下大輔 at 2010年01月17日 13:29



山下様 こんにちは。

このバークレーは良いですね。
凄く良いですね。ヴィンテージクロスそのものですね。スーパー90にカシミヤですから高級品だったんでしょうね。

うらやましいです。欲しいです。

Posted by らしゃ太郎 at 2010年01月23日 15:57



>らしゃ太郎さん
ありがとうございます!シックな色合い、確かなコシが気に入っております♪
この生地で早く、スーツを仕立てたいですね〜。

Posted by 山下大輔 at 2010年01月23日 21:38



こんばんは。

3月中旬に東京に出張で行く機会がありまして、
神田の生地屋さんに行ってみたいと思います。

残念ながら一泊で、神田に行けるのは夕方5時くらいになると思います。

もし、差し支えなければ、おすすめのお店の名前と住所などの情報を教えていただければ幸いです。

深野羅紗店はHPがありますが、営業が6時までですね。
時間的にちょっと厳しいかな?

では失礼します。

Posted by セオドール at 2010年02月20日 23:55



>セオドールさん
神田須田町には、深野羅紗店さん以外に以下のようなお店がございます〜。

・丸孝羅紗店
千代田区神田須田町2-19-11

・藤井商事
千代田区神田鍛冶町2-7-10

この近辺は元々羅紗屋街ですので、付近を散策していれば、他にもお店は見つかると思いますよ〜。

ただ、神田の羅紗屋さんは、どこも深野羅紗店さん同様、遅くまで営業してないと思いますので、お店に伺う際はお早めにです。よろしければ、ご参考にしてみて下さい。

Posted by 山下大輔 at 2010年02月21日 22:40



山下さん、情報ありがとうございます。
神戸三宮高架下(婦人服地店屋さんが集まってる)みたいですね。

無事お店に行けましたらレポいたします。

ではでは。

Posted by セオドール at 2010年02月23日 06:04



>セオドールさん
とんでもございません〜。神田須田町、楽しめると良いですね!

Posted by 山下大輔 at 2010年02月24日 00:36



こんばんは。

神田須田町には11日に行く予定です。
ところで生地と無関係な話で申し訳ないのですが、
現在財布の買い替えを検討中です。

万双、GANZOいずれかのブライドルにしようと思っています。
値段は万双が2万弱、GANZOが3万弱。

残念ながらこちらではGANZOしか店頭で実物を手に取ることができません(万双はネットショッピング)。

万双とGANZOどちらを買うべきでしょう?!

Posted by セオドール at 2010年03月02日 23:20



自己解決しました。
お騒がせしました。

Posted by セオドール at 2010年03月04日 20:23



>セオドールさん
返信遅れてしまいました。

GANZOと万双、僕もここ2年ほど現物を見てなく、どちらも上質ですので、難しい質問でございます。
どちらを購入されても間違いはないと思います。ただ、あえて言うならば、僕が2年前に見た限りでは、GANZOの方が価格も高いだけに、ステッチもしっかりしており、内装素材もより上質でした。ただ、これもあくまで、双方、ハイレヴェルの話です。

価格重視か、クォリティをひたすら重視かが、購入の分かれ道でしょうか……。でも繰り返しでございますが、万双もレヴェルは十分高いです。

よろしければ、参考にしてみて下さい〜。

Posted by 山下大輔 at 2010年03月04日 22:36



こんにちは。

お忙しいところお返事ありがとうございます。
よく考えたら、神田に行ったあと、アメ横の万双に行けばいいということに気付いた次第です。

そこで自分の目で見てGANZOと比較して決めようと思います。

財布は何年間も毎日身につけるものですから、自分の好みに合ったスタイルで出来る限り品質の良いものを選びたいと思います。

Posted by セオドール at 2010年03月06日 10:36



>セオドールさん
実物をご覧になって判断、大切ですよね。僕も名刺入れ購入の際は、価格より品質重視でGANZO購入となりました〜。

Posted by 山下大輔 at 2010年03月07日 21:17



こんにちは。

昨夜東京より戻りました。
ご報告です。

仕事の都合で神田の羅紗屋には行く時間がありませんでした。
そこで万双にだけ行ってきました。

ブライドルのウォレットを見せてもらいましたが、
その出来はひどいもので、購入せずでした。

やはりGANZOの方が完全に上です。
神戸のルボナーかGANZOのを購入したいと思います。

アドヴァイスありがとうございました。

しかし、GANZOもいつか万双のようになってしまうのでしょうか・・・

Posted by セオドール at 2010年03月13日 12:03



>セオドールさん
東京出張、お疲れ様でした!

万双、ひどかったですか〜!僕もしばらく万双を見てないので、久々に再確認したくなりました。細マチダレス、以前から欲しいんですけどね(笑)。

有名になりすぎると、人気のあまり生産量がキャパシティを超え、品質低下しがちですよね。これまで高級靴ブランドの凋落を見ては、悲しくなっております。
GANZOはそうならないよう、あって欲しいです!

Posted by 山下大輔 at 2010年03月14日 14:09



(※このテキストは、09年10月2日に別Blog「The Artistic Fabric」にて書いた記事を転載したものです)






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