KAさんのウィーンの注文靴店・バリント報告
Bespoke report at Wien Balint
KAさんより頂きました、ウィーンの注文靴店・バリントのご注文報告です!充実のレポートに画像と、オーダーの様子が非常に良く分かる内容となっております!スペンサーさんのサイトにもございますとおり、やはり採寸は相当綿密なようです。バリントご一家の、家庭的で温かい雰囲気も存分に伝わってきますね!
早速、以下からがご報告になります。KAさん、貴重なご報告とたくさんの画像、どうもありがとうございました!




まさか、私がこのお店に行くことになるとは思ってもいませんでした。スペンサーさんのHPで初めてこのお店の存在を知ったときから、ずっと気にはなっていました。すごい採寸、興味深いインソール、なにより親切なバリントファミリーとかわいいパマッシュ。場所はと・・・ウィーン!?英語でさえままならない私ですから、もう英語圏ではないというだけで、臆していました。実際、ロンドンで靴をビスポークするまで、英語圏への旅行など行ったことも無し。ま〜行くことは無いだろうな、と思いながら食い入るようにスペンサーさんのレポートを読んだのを覚えています。
しかしその後、数回の渡英経験に自信を付けたのか、私は一大決心をしてウィーンに行くことにしました。同僚からもウィーンの良さをうんざりする程聞かされていた為、すっかりその気になっていたというのもあります。もちろん、主目的はバリントへの訪問です。
ありがたいことに、バリントにはHPがありましたので、さっそくE-mailを送って問い合わせてみました。数日後、ビスポークについての詳細が(なぜか)PDF添付メールで返ってきました。そこにはプライスやシステムについて書かれており、classical bespoke(フルオーダー)とhalf-tailored shoes(セミオーダー)が存在するとなっています。雑誌Last vol.3でプライスが2,000ユーロ〜となっていたのに、実際には886,61ユーロ(+初回のみ200〜500ユーロ)となっていました。(LASTは間違えていたのだろうか・・・)この瞬間、注文することを決めた私はすぐに訪問するスケジュールをメールしました。メールの返事で、私のことを「〜San(さん)」と書いてくれて、親近感も増しました(?)。
早速ウィーンです。噂の寒さも、まだ11月なのでさほどでもありません。若干の観光をしたあと、さっそくバリントに訪問しました。行く途中にも、そうと知らずにショーウィンドウを見て「いい靴だ!」と、しきりに感心していたマテルナや(ちなみに、酔っぱらって夜中に店の前で記念撮影をして、ホテルで確認してみたらなんとマテルナと書いてあったんですが・・・(笑))、結局入ることすらできなかったRudolf Sheer & Sohne、なんとなく駅のショーウィンドウで見かけた(笑)MAFTEI Massschouheなども私を誘惑します。なかでも、マテルナはもうちょっとでオーダーする寸前でした。すげー靴大国じゃねぇかっ・・・!
たどり着くと、ちょうどメールの返事を書いてくれたクリスチーナさんが外出をする所でした。名前を告げると、お店の中に招いてくれ、ラヨスさん(親方)、ベラさん(息子さん)、カタさん(奥さん)に紹介してくれました。
さて、ビスポークの始まりです。拙い英語を駆使しなくてはなりません。まずは1階で、デザインサンプルをさんざん見せてもらいながら悩みました。サンプルは多数あり、終いにはレディースサンプルまで引っ張りだしてもらいました。結局、シンプルなダービースタイルをオーダーしました(なんだよ!)。Last vol.3に載っている、黒い3アイレッツのやつです。コルテにもこんなの有った様な・・・。トゥの形は、ややポインテッド気味なラウンドでとリクエストしました。
製法はWooden nailed(木釘)、Hand sewed welt(ベラさん曰くEnglish style)、Double sewed(ノルベのような感じ)の3つで、それぞれシングルソールとダブルソールがあります。価格はWoodenより順番に上がっていきます。私はHand sewed weltを選びました。木釘よりも馴染みが良いそうです。次回は木釘で逝く予定。
革はスワッチで用意されていましたが、私はラヨスさんおすすめの柔らかめな黒いボックスカーフを選択しました。
「申し訳ないですが、採寸には約45分かかりますよ。」とカタさんが言いました。もちろんですとも、それを目当てで来たのでデス!採寸は2Fで行われました。パマッシュも器用に階段を上ってついてきます。
採寸ですが、アフォな事に私は1枚も写真を撮れませんでした。・・・というのも、採寸中は動くこともまならず、同時に緊張をしていたからです。1人では採寸中の写真はむりかも(言い訳)。
実に精密な採寸がラヨスさんによって行われました。順番等もうろ覚えなのですが

 1.足の触診
 2.座った状態での角度計測
 3.立った状態での腰部の角度計測
 4.座った状態・座った状態での足の採寸(ふくろはぎ辺りまで採寸し記入する)
 6.立った状態・座った状態でのフットプリント
 7.足の写真撮影

採寸のプロセスは、Last Vol.3に詳しく載っています(おいー)。慎重に採寸をし、細かくシートに情報を記入していました。
私は右足の踵に問題を抱えていて、ラヨスさんは触診中に違和感を感じ取ったようで、右足を厳重に触診します。立ったり座ったりを繰り返しながら、精密な採寸を行ってくれました。採寸中は、ベラさんが会話をリードしてくれます。腰が痛いオペラ歌手が、バリントの靴を履いた御陰で腰痛が治ったとかなんとか。そして採寸は、噂に聞いているインソールを作成する為に必要なんだとも、教えてくれました。俄然、期待が高まります。
次回からは、メールでもFAXでも注文を出来るそうです。場合によっては、メールでサンプルの写真も送るよ、と言ってくれました。アンクルブーツ程度なら、同じ木型で作れますと言っていた気がします。余談ですが、ベラさんに靴磨きの秘訣を聞いたら、「母(カタさん)のストッキングで磨くことだよ!」と教えてくれました(笑)。
採寸後は1Fに戻り、シッピング等の手続きをカタさんが行ってくれました。納期は約2ヶ月で、仮縫いは無いようです。シッピングにはDHL等の国際宅配便を使用するようで、シッピングコストが結構かかりました。
最後にドイツ語で「さようなら」の言い方を聞き、「Auf Wiedersehen!」と挨拶をしてお店を後にしました。ベラさんは、「さよなら、またね」となんと日本語で言ってくれました(笑)泣かせるぜ!(?)
現在はバリントのシューズを、首を長くして待っています。次回はフルブローグ系かブーツを注文するつもりです。到着いたしましたら、またご報告いたします。



そして以下からは、KAさんから頂いたバリントの画像になります。2・3・4枚目画像にある、靴の画像をそれぞれクリックして頂ければ、拡大画像が出ます。これらの拡大画像と、1枚目画像のみ、撮影したのは僕なのですが……思いっきり反射してしまって、見にくいですね。すいません……。なお、6〜9枚目の画像も、クリックして頂ければ拡大画像が出ます。


ウィーン中心街にある、バリントのお店。

ショーウィンドウを外から一枚。

バリントのサンプルシューズが並ぶ棚。欲しい靴がイパーイあります。

こちらもサンプルシューズの棚。


ややピンボケ気味ですがかわいいパマッシュ。


レディースのサンプル。

ブーツ類のサンプル。ライダーブーツは別木型が必要とか?

次回オーダー用に、欲しくなりそうなブーツをさらにアップで。

階段から親方を撮影。
ちなみに、僕(山下大輔)がバリントへ伺った時は……やはり、最初に出迎えてくれたのは、噂の愛犬・パマッシュ!思っていたよりも大きい!入店するなり、すごい勢いで突進、じゃれついてきて戸惑ったものです(笑)。続いて、奥から出て来られたのはカタさん。パマッシュが店内をピョンピョン駆けてはしゃぐので、カタさんは「静かにしなさい」みたいなこと言って叱りますが、パマッシュがきく様子はまったくありません。カタさんは「しょうがないなあ」みたいな表情。犬好きの僕は、パマッシュと遊ぶか、陳列されている靴を見るか、迷ったものです(笑)。
カタさんは、英語が少しできる程度。僕はと言えば、当然、ドイツ語はまったくダメ、英語も少ししか話せません。それを察したカタさん、英語の堪能なベラさんを呼んで下さいました。ベラさんも職人さんとのことでしたが、その風貌は学者っぽい雰囲気を漂わす、落ち着いた感じのお兄さんでした。
本当なら、色々お話を伺いたかったのですが、僕に購入意思はなく、見学のみの身分。どうしても引け目を感じてしまいました。しかも僕、英語力が拙いので、たいした会話もできず……。結局、店内の撮影許可を頂いた後、退散してしまいました。でも考えてみれば、見学のみの客なのに、店内を撮影しまくったのは十二分に図々しいですね……。
それにしても、バリント、やはり素晴らしい靴でした。ウィーンはハンドソーン・ウェルテッド製法の靴屋さんは多いですが、その中でも、個人的には1・2を争う魅力を感じました(お世辞抜きで!)。スタイルはご覧のとおり、西欧(ドイツ以外)とはまったく異なります。ノーズは短く、ボール部分も広くてズングリしておりますが、このスタイルが欲しい方にとっては、間違いなくオススメです。もし実物をご覧になりましたら、放たれるオーラ、存在感にきっと驚かれる事でしょう。そして、バリントご一家の、優しく、温かい雰囲気に、思わず顔がほころんでしまう事も間違いありません(笑)。あー、パマッシュちゃんともっと遊びたかった!
Balint MAP

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