ALDEN
for
Brooks Brothers


Handsewn Penny Loafer
アンラインド・コードヴァンローファー

僕が革靴にハマるキッカケとなったのは、高校2年生のとき。
その頃の僕は、ごくごく普通のコイン・ローファー(個人的にはペニー・ローファーと言うより、コイン・ローファーと言う方が好き)が欲しかった。
せっかく買うんだから、良い物が欲しい、無駄な買い物はしたくない、後悔のない買い物がしたい……と、雑誌を読んだりして、自分なりにローファーについて色々と調べてみました。やはり目に付くのは、リーガルやハルタ。でも、これじゃ、あまりにもありふれていてつまらない。どうせ買うんだったら、もっと奮発したい。できれば外国製。そんなことを考えて、さらに調べていくと、どうやらローファーと言えば、バス、コール・ハーン、ウォーク・オーヴァーあたりが有名どころと知りました。
バスでしたら、アメ横あたりで安く買えますし、デザインも気に入りました。何より、このバスがローファーの元祖という点が、僕にとってポイント高かったですね。結果、僕の胸中は、ほぼバス購入に決まっておりました。

しかし !!

そんな折に、僕は衝撃的な靴を目にすることになります。それこそがこれ!オールデンのコードヴァンローファーでした。メンズ・ノンノの95年2月号誌上において、"最高のローファー"と銘打って紹介されているこの靴を見て、僕はそのカッコ良さにビックリ仰天!値段にもビックリ仰天(当時、68,000円)!丁度、ローファーを探していた僕にとって、その衝撃の大きさたるや、凄まじいものがありました。
「なんだなんだ、世の中には、こんなカッコ良いローファーが存在するのか!ちょっと待て!バスやコール・ハーンなんて見ている場合じゃないぞ。今、バスを買ったら、絶対に後悔するぞ!そうだ、まだローファーを買うのは止めておこう。いつか、いつの日か、このオールデンのローファーを絶対に買ってやる!その日が来るまで、ローファーの購入はおあずけだ!」

そんな決意を胸に秘め、僕はひたすら、オールデンが買えるだけのお金が貯まるのを待ちました。大学生になってアルバイトをするようになり、お金は少々持てるようになりました。しかし、PCを買ったりして、お金はなくなり、ついに購入!と至ったのは大学2年生のとき。忘れもしない1998年12月29日の事でした。

購入したお店は、ブルックス・ブラザーズの二子玉川店。お店に向かう電車に乗っていたときは、はやる気持ちを抑えて、無理矢理落ちつこうとしていたのが思い出されます。
「高級品を買うんだし、落ちついた、余裕のある態度で買い物をしよう。店内では、肩肘張ったりしないで、自然体で振舞おう」
そんな事を考えていましたね。振り返れば、自分が背伸びした買い物をするもので、やはり相当緊張していたんでしょう。それだけ僕にとって、この買い物は特別でして、自ずと真摯な態度で臨もうという気持ちになったわけです。
お店に到着すると、まずは店員さんにお願いして、試し履きをさせてもらいました。このときは、「とうとう、この品が自分のものになるんだ……!!」というワクワク感ばかりが全身を支配して、ほとんど上の空でしたね。とにかく胸中舞い上がりながら、店内を歩いてサイズを確かめました。やがて意を決して、「これお願いします」と購入する旨を伝えて、レジの前へ。財布の中から、一万円札七枚に、消費税分の五千円札一枚(当時、税込価格73,500円)を取り出し、重い金額を手にして、思いきって支払いを済ませたあの感動!あの達成感!
「ついにやったぞ!!!」
もう涙が出るほど嬉しかったですね。
そして、店員さんに「ありがとうございました」と声をかけられつつ、お店を出た時に全身を襲った開放感!充実感!!
「うおおおおおおおおお!」
と、もう歓喜の雄叫びをあげながら、そのままスキップでもしながら家へ帰りたいほどの衝動にかられたもんです。
その後は、ブルックス・ブラザーズの青山本店に行って、二子玉川店ではサイズ切れだった、シュー・トゥリーを購入。そしてさらに、ユナイテッド・アローズ原宿本店に行って靴クリーム等のシューケアグッズも購入しました。

こうして、僕の靴好き史は、本格スタートしたのであります。



そんなこんなで、高校2年の冬から思い焦がれて、大学2年の冬にようやく手に入れた、僕にとって記念すべき、初の高級靴です。
ショップによる別注品が多いオールデンですが、色々迷った末、ブルックス・ブラザーズ名義のものを選びました。ライニングなし、というのが1番の理由だったのですが、これは正解だったと思います。ライニングがない分、アッパーがグニャグニャ曲がってくれて、独特の、柔らかな履き心地をもたらしてくれます。コードヴァン自体も、オリジナルのものより肉厚なものを使用していますね。もっとも、厚い革を使用しているとはいえ、ライニングがない分、耐久性にはやはり劣るでしょうから、良い面ばかりとは言えません。それに、ライニングがないということは、その分、職人さんの作業工程も省かれているわけですし、価値観の違いによって、ライニングのあるなし、どちらが良いと思うかは、変わってくるでしょうね。

このライニングのないコードヴァン一枚革のローファーは、ブルックス・ブラザーズの特許品だそうで、オールデンの名を世に知らしめた事でも知られますね。ちなみに、日本で展開されているオールデンは、ほとんどがDウィズですが、ブルックス・ブラザーズ名義のオールデンはEウィズとなっています。

踵にはあまり芯が入っておりませんが、これはローファーという事で、かしこまらずに気楽に履いてもらい、かつ柔らかい履き心地を味わってもらおうという、オールデン側のスタンスなのかな?と僕は勝手に考えています。もともとローファーって、「怠け者」、「ブラブラする人」って意味ですしね。

デザイン的にちょっと気になる点が、オールデンオリジナルのローファーと比べて、ヴァンプが短いんですよね。そのため、靴下がちょっと見えやすく、なんだか野暮ったいです。
コーディネイトとしては、ブルックス・ブラザーズのポロカラーシャツや、ラルフ・ローレンのポロシャツと合わせたりしています。これさえ履いていれば、単純な僕は身も心もアイビーくんです。







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